港で暮らす人の声と音を、素材にした最初の回です。
第1回は、宵浜の港を舞台にした小さな芸術祭として始まりました。会場は旧税関倉庫と第3埠頭の2か所。参加作家は18組で、市内の漁協、港湾事務所、商店会が運営に加わりました。
テーマの「港の声」は、港で働く人の声、船の汽笛、荷役の音を指します。廃船のロープでつくった音の出る彫刻、岸壁に並べた40台の拡声器など、音を素材にした作品が多く並びました。
来場者は約4万2,000人でした。会期の前半は雨が多く、入場者は予定より少なかったのですが、後半に口コミが広がり、最終週は初日の3倍の来場を数えました。この回で、港の古い建物を会場にする手法が確立しました。
ディレクターの篠宮 陽介は、地元の高校で美術を教えていた人です。「港に生まれた人の声から始める」と決め、出展作家には3日以上の滞在を求めました。この条件は、その後の回にも受け継がれています。
運営は、市の職員3名とボランティア約60名で支えました。この回のボランティアの半数が、いまも運営に関わっています。予算は市の補助金と協賛金を合わせて約2,400万円でした。2014年時点の数字です。
会期後に残った課題は、案内表示の少なさです。倉庫から第3埠頭へ歩く道で迷う人が多く、次の回から手書きの地図と矢印の看板が加わりました。看板は市内の高校の美術部が描き、今も一部が現役で使われています。受付で渡す会場図も、この回から配り始めました。来場者アンケートの回収は約3,100通で、回答の半数が市外の方でした。

