家の内と外を分ける線を問う3回目です。図書館と商店街が初めて会場に加わりました。
第3回のテーマは「境界の家」。家の内と外、自分と他人、私有と共有を分ける線を、住まいを手がかりに問いました。会場は旧税関倉庫に加え、市立図書館と浜通り商店街が初めて加わり、街なかに作品が広がりました。
参加作家は29組。糸で実物大の家の骨組みを描いた作品、廃屋から集めた玄関扉を20枚つなげた通路など、建物そのものを素材にした作品が多く並びました。商店街の空き店舗を会場にした初めての回でもあり、一部の店主から「また店が開いたようだ」という声が上がりました。
来場者は約11万3,000人。前回の約1.6倍です。会期中、市内の小中学校の見学が累計で約60校、2,400人を数えました。
ディレクターの辻本 紗和は、住宅を専門にする建築家です。市民から家の記憶を集める「家の聞き書き」を行い、その一部を図書館の壁に掲示しました。
この回から、子ども向けの工作や、地域の人が参加する聞き書きといったプログラムが増えました。会期中のワークショップは全部で34回、参加者は延べ約1,100人です。親子で参加した人が、翌年の運営ボランティアに申し込む例もありました。
商店街の会場は、会期後に空き店舗の一部が再び借り手を得るきっかけになりました。店主の一人は、「作品がいた部屋に、また店を開く」と話しています。芸術祭が街に与えた影響として、のちの回の資料にもたびたび引かれました。この回の会期中に、商店街の来街者は前年同期比で約1.3倍になったという商店会の集計もあります。2018年11月時点の数字です。

