解体された灯台の部品でつくった、灯台守の机と椅子の部屋です。
嶋崎は、2019年に解体された灯台の部品を譲り受けました。レンズを支えていた真鍮の枠、階段の手すり、ガラスの破片、日誌を入れていた木箱などです。これらを組み直して、一人分の机と椅子と、小さな書棚にしました。
机の上には、灯台守の日誌を書き写した紙が置かれています。日誌は実在の灯台のものではなく、嶋崎が資料をもとに書いた創作です。「霧、終日。灯は7時に入れた」といった短い言葉が、毎日1行ずつ続きます。会期中は日付ごとに新しい行が1枚ずつ足されます。
椅子には座れません。部屋の外から、机の高さに目を合わせて見ます。嶋崎は家具職人として30年働き、60歳を過ぎてから作品をつくり始めました。道具はすべて手工具です。ノミの跡が見える部材もあり、近づくとその細部を確かめられます。
机の引き出しの一つは、わずかに開いています。中に入っているのは、灯台のレンズから外した小さなガラスの玉で、覗くと逆さの景色が見えます。のぞき込めるのは、一日に20人までです。

