暗室の3面スクリーンに、三つの港の海面が21分ずつ映ります。
暗室の3面スクリーンには、ラゴス、ロンドン、宵浜の港で撮影した海面が映っています。映像は各21分で、カメラは固定され、人も船もほとんど映りません。波の高さと光の色だけが、ゆっくり変わります。
音は3つのスピーカーから別々に出ます。波の音ではなく、それぞれの港で録音した人の声です。ラゴスの市場の売り声、ロンドンの駅のアナウンス、宵浜の漁協の朝の呼び声が、海面の上で重なります。スクリーンの中央に立つと、3つの声が同じ高さに聞こえます。
オラニイは「海は誰の声も運ばないが、誰の声も消さない」と話しています。座席はなく、床に座るクッションがあります。入退場は自由で、21分の途中から見ても構いません。ただ、最後の3分間にだけ3つの海面が同じ色になる瞬間があるため、一度は通して見ることをお勧めします。
暗室の入口に、各港の座標と撮影日時の記録が貼ってあります。映像の中の海面は、すべて撮影当日の午前6時から7時のあいだの光です。時刻をそろえたことで、3つの海面は色の傾向が似ています。

