浜で拾ったガラス片や貝殻を土に埋め込んだ、小さな器30点です。
白い台座に、小さな器が30点並んでいます。高さは6cmから22cm。どれも陶土でつくり、表面にガラス片、貝殻、割れた陶器、錆びた釘などを埋め込んであります。素材は宵浜の海岸で、藤波が会期前に5日間かけて拾ったものです。
釉薬はほとんど使っていません。土の色は、焼く温度を30点とも少しずつ変えて出しています。器の口を覗くと、内側に拾った場所のメモが小さく書かれています。「東浜、斜路の下」「D会場、防波堤の根元」。そんな文字が、焼かれて薄茶色に残っています。
藤波は京都の窯元の家に生まれ、のちに福岡で漂着物を集め始めました。器は食べ物を入れる前提でつくっていないため、水も入れられません。それでも器の形をしているのは、「受け止めるための形」を使いたかったからだと言います。台座は低く、しゃがむと器の内側まで見えます。
台座の端に、拾い物の一覧表が置かれています。ガラス片は21点、貝殻は17点、陶片は9点、金属片は6点。数と種類が記録されています。器ごとに、どの素材が使われたかを照らし合わせられます。

